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「勉強できることうれしい」「新たな自分、わくわく」全国初の私立夜間中学 スタートの春 沖縄


「勉強できることうれしい」「新たな自分、わくわく」全国初の私立夜間中学 スタートの春 沖縄 入学を祝う会を終え、退場する私立夜間中学校「珊瑚舎スコーレ東表中」新入生の(壇上左から)女性、城間清廣さん、我謝秀幸さん=6日午後、南城市佐敷(大城直也撮影、画像の一部を加工しています)
この記事を書いた人 Avatar photo 高橋 夏帆

 学校法人雙星舎(そうせいしゃ)が設置した全国初の私立夜間中学校「珊瑚舎スコーレ東表(あがりおもて)中」が6日、スタートした。学齢期を過ぎた義務教育未修了者や授業を十分に受けられずに中学校を卒業した「形式卒業者」らの学び直しの場となる。新1年生は「勉強できることがうれしい」「新たな自分を発見できる」と新しい生活に期待を寄せている。

 本島南部在住で40代の女性は3月、東表中の開校をニュースで知り入学を決めた。医者を目指す小学4年生の娘を応援したいと思い、「自分も学ぶことで良い影響を与えることができるのでは」と入学を決意した。

 娘の学校や塾の送迎で両親の手を借りながら育児と学業の両立を目指す。それでも「やるしかない。新たな自分を発見できる期待でわくわくしている」と期待に満ちた表情を浮かべている。

 前身の自主設置の夜間中学校に約3年間通った我謝秀幸さん(40)は今回、改めて東表中新1年生となった。昼間は電気工事の仕事をこなし終業後に通う。「また勉強できることが楽しみ。漢字を覚えて文章理解ができるようになって、本を読めるようになりたい」と意気込む。

 城間清廣さん(68)も同じく自主夜間中から通っている。新しい学友が加わることに「うれしい。チームワークを大事に一緒に勉強したい」と笑顔で語った。8日からは入学を検討している南城市在住の70代の女性が授業を体験する予定だという。一方、3月に願書を提出していたうるま市在住の60代の女性からの入学辞退もあった。授業後、帰宅時間が遅くなってしまうことからの断念だった。

 星野人史理事長は、南城市の同校以外の市町村にも教室を設け、より幅広く学べる形式も目指しており「気持ちを引き締めてできることを進めなければならない」と語った。

(高橋夏帆)