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歌詞に込めた思い伝え ユキヒロさん「HEIWAの鐘」で特設授業 琉大付属小 沖縄


歌詞に込めた思い伝え ユキヒロさん「HEIWAの鐘」で特設授業 琉大付属小 沖縄 「HEIWAの鐘」の歌詞に込めた思いを児童に説明した後、歌を披露するシンガーソングライターのユキヒロさん(左)=7日、西原町の琉球大学付属小学校
この記事を書いた人 Avatar photo 高橋 夏帆

 西原町の琉球大学付属小学校は、県出身でシンガー・ソングライターのユキヒロさんが作詞作曲し、合唱曲にもなった「HEIWAの鐘」を題材にした平和学習を行っている。5日、ユキヒロさんを招いた特別授業があり、児童は歌詞の意味や意図を質問し、ユキヒロさんから歌詞に込めた思いを学んだ。

 「HEIWAの鐘」は音楽の授業を担当する山根かなみ教諭らが選曲した。山根教諭は歌詞の意味や歌い方について児童に問いかけた。児童は歌詞と楽譜が書かれた模造紙を各学級に持ち帰り、総合的な学習の時間で読み解いた。

 5日の特別授業では、児童が歌詞の意味をユキヒロさんに尋ねた。歌詞の一節「よみがえれ あの時代へ」について、児童が「琉球王国を指すと考えた。なぜ戦争のことではない歌詞を入れたのか」と質問した。ユキヒロさんはかつての琉球王国が武器に頼らないで各国との交易で栄えたとして、「平和の心を持った先祖から受け継ぎ、今の沖縄があると伝えたかった」と解説した。

 また昨今の世界情勢を「脅しで平和を築こうとしている」と指摘。「過去の戦争では、武力で押さえつける抑止力で人の心は支配できなかった。平和を思う心からすれば、軍国主義のような国になることはばかげていると表現した」とした。
 他の児童からは、歌詞に対して曲調が明るいことへの質問が挙がった。ユキヒロさんは「真面目で正義感の強いメッセージだが、どんな時でも誰もが平和を身近に感じられるようにとアップテンポにした」と答えた。ユキヒロさんは最後に、歌詞中の「平和の鐘」について「平和の鐘はみんなの中にある。一人一人にある平和への思いを鳴らして響かせて」と訴えた。

 眞榮城鈴莉さん(11)は「歌詞に込めた思いを知って上手に歌いたい」と話した。川副(かわぞえ)蓮奈さん(11)は、冬に本島北部で平和学習を行う修学旅行について「今回の学習を修学旅行にも生かす」と意気込んだ。6年生は13日の平和集会で歌を披露する。

(高橋夏帆)