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子どもは未来の宝 石川博久(琉球大学教育学部付属小学校校長) <未来へいっぽにほ>


子どもは未来の宝 石川博久(琉球大学教育学部付属小学校校長) <未来へいっぽにほ> 石川博久
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 「子どもは未来の宝だなぁ」と改めて心から思う。昨年7月、県外に嫁いだ娘が里帰り出産し、笑顔がすてきな孫を授かった。あれから1年、娘と孫が帰省し、沖縄で昔から行われている1歳のお祝い「タンカーユーエー」の行事があった。孫はご飯でもお金でもなくエイサーのばちを取り、パーランクーを笑顔でたたいた。集まった親戚も「きっと沖縄の心を大切にする人になるねぇ」と笑顔になった。つかまり立ちで動き回る孫を追いかけながら一緒に、ご飯、絵本、歌と大変だったが幸せを実感できた1週間だった。

 空港で娘と孫を見送った帰り、車中で、あと何回、娘や孫と会えるかなと考えながら心から祈った。「健康で安全に過ごしてよ。学校で先生や友達といろいろな体験をして多くのことを学んでね。先生方、子どもの可能性を信じてよさや優しさをいっぱい引き出してください。正しくない行動があったら、その理由を聞いて次につながる支援をしてください。子どもが困って悩んでいたら支えてあげてください。うまくできなくても頑張ったことを認め、ほめて、必ずできると背中を押してください。お願いします」と。

 今、私が孫の成長を祈り、学校や先生方への期待と願いを持つように、全ての親や祖父母も同じことを思っているだろう。「学校教育って、教師って、未来の社会をつくる子どもたちを育む責任と役割があるんだなぁ」と、今回孫との関わりを通して再認識できた。 子どもは未来の宝である。その宝をさらに輝かせるために、私は教師としてこれからも職場の先生方や子どもたちと共に学び続け、子どもの成長を喜びながら「教師」を全力で楽しみたいと思う。

石川博久 いしかわ・ひろひさ

 琉球大学付属小学校校長。県小学校特別活動研究会会長、日本特別活動学会九州・沖縄理事。沖縄戦の実相や継承のあり方を学ぶ学習会にも参加している。1966年生まれ、那覇市出身。