8月に茨城県で開催された全国高校生アマチュアバンド選手権「ティーンズロック2024グランプリファイナルinひたちなか」(主催・ひたちなか青年会議所)で、沖縄地区代表として出場した首里高校軽音学部の3年生、新里桃花さん、小橋川深結(みゆ)さん、知念陽香(はるか)さんの3人組バンド「クロムレイリー」がグランプリを受賞した。
大会は今年で21回目。全国14カ所で地区大会を開催し計265組が出場した。県内出場者のグランプリ受賞は初めてで、陽香さんは「ベストドラム賞」も受賞した。
オリジナル2曲を演奏。「十字路」は桃花さんが、亡くなった祖母を思って曲にした。仲間たちとのバンド活動などを歌詞にした「レイリー」は、軽音部での最後の大会に演奏したいと作った曲だという。
グランプリを獲得し、日本を代表する音楽フェスの一つ「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル2024」(国営ひたち海浜公園)の出場権を得た。9月22日のオープニングアクトを務める。Adoやサンボマスターといったアーティストと同じ舞台に立つ。
クロムレイリーは、桃花さん(ギター・ボーカル)、深結さん(ベース・コーラス)、陽香さん(ドラム・コーラス)の3人が高校1年生の時に結成。先輩バンドに影響を受け、1年生でオリジナル曲を作り始めた。
「ティーンズロック」で優勝し、「ロック・イン・ジャパン」の舞台に立つことは目標の一つだった。学校のほか、大名児童館2階にあるスタジオも拠点にし、「練習しない日はなかった」という。
スタジオ利用の代わりに、児童館の夜間無料塾で小中学生に勉強を教えるボランティア活動にも参加するなど地域とのつながりも深めている。陽香さんは「応援してくださる方々に恩返しというか、そこで感謝を伝えている」と思いを話す。桃花さんは児童館での出会いや経験が歌詞制作に生かせているという。
夢だった「ロック・イン・ジャパン」の出演に「自分たちの音楽を精いっぱい届けたい」と意気込む3人。桃花さんは「後輩たちの憧れの存在でありたい」と力を込める。深結さんは「楽しんで楽しんで楽しみたい」と笑顔を見せた。
(田中芳)