北谷町教育委員会は本年度から、学級の課題や個々の悩みを児童生徒全員が主体的に話し合い、解決を目指す「クラス会議」という取り組みを全小中学校で始めた。県教育委員会や町教委によると、同様の取り組みを自治体単位で実施する事例は県内にはほかにないとみられる。児童生徒の主体性や問題解決力の向上につながる先進的な取り組みといえそうだ。
数年前から一部の学級でクラス会議に取り組んできた北谷小学校で17日、同会議の校内研修があった。4年1組の児童が「宿題を忘れないようにするには」「発表する自信がない場合どうすればいいか」の、二つのテーマを話し合った。
クラス会議は児童生徒全員が教室内で円状に座り、学級全体や個人の問題への解決策を出し合いながら、より良い学級づくりを目指すもの。議題や出た意見の中から、どの解決策を実践するかも児童生徒が決める。
宿題のテーマに対しては「周りの人に声かけしてもらう」「紙に書いて見えやすい場所に貼る」「カレンダーに提出日を書く」、発表に関しては「間違えても人を責めないというルールを作る」「簡単な発表からやる」などの意見が出された。
提案した人に対しては全員で「いいね!」と肯定し、意見を言いやすい環境を整えていた。解決策が思いつかない場合は「パス」も可能だが、ほとんどの児童が積極的に発表した。
宿題のテーマを挙げた津山大樹さんは「みんな真剣に考えてくれてうれしかった。他の人の悩みも真剣に考えたい」と意気込んだ。司会を務めた高谷茉祐花さんは「今後も会議を続けて、みんなの悩みを解決していきたい」と力を込めた。
担任の新川元樹教諭は「問題を自ら解決し、友達のために頑張るなどの経験が、自分の良さを実感したり心理的安全性を高めたりすることにつながる。クラス会議を北谷から県内に広げていけたら」と思いを語った。
(外間愛也)