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伝説ロックバンド「紫」初海外フェスへ 54年目の悲願 スウェーデンからのオファーに「びっくり」


伝説ロックバンド「紫」初海外フェスへ 54年目の悲願 スウェーデンからのオファーに「びっくり」 音楽イベント出演のためスウェーデンに向けて出発する紫のメンバーら=3日、那覇空港
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 

 コザ市(現沖縄市)で生まれた、オキナワンロックの伝説的バンド「紫」が、5日からスウェーデンで開催される「TIME TO ROCK FESTIVAL」に出演する。海外の音楽フェスへの出演は初めてで、結成54年目の悲願達成となる。3日、メンバーらが那覇空港を出発し、キーボード担当でリーダーのジョージ紫さん(75)は「期待に応えられるようぶちかましたい」と意気込んだ。

 イベントは4日間開催され、レッド・ツェッペリンや英国のハードロックの草創期に活躍したユーライア・ヒープなど、ヨーロッパで活躍するアーティストが出演する。紫は6日のメインステージで、最新アルバムの曲など約12曲を披露する予定だ。

 紫は1970年に結成し、解散やメンバーの変更などを経て活動を続けてきた。過去にヨーロッパツアーの企画が持ち上がったが、当時は既に解散が決まっており出演できなかった経緯がある。

 ジョージさんとSNSを通じて交流を続けていたスウェーデンのファンが、イベント主催者に紫を出演させてほしいと話を持ちかけたことが出演依頼のきっかけとなった。主催者の男性も紫の全作品を持っているほどの熱狂的ファンで、すぐにオファーの連絡が届いた。ジョージさんは「びっくりした。途中で諦めず、続けていれば良いことがある」と語った。

 ドラムの宮永英一さん(73)は「ロシアのウクライナ侵攻などは琉球の歴史に重なる部分もある。琉球の存在と、巨大な基地を抱える沖縄の現状を音楽で伝える」と意気込んだ。(福田修平、中村優希)