最初に言っておくと、私はスラムダンクについて何も知らなかった。有名なバスケ漫画という程度の認識だ。友人に誘われ、バスケのルールも曖昧なまま、軽い気持ちで鑑賞した。私は大ハマりして、何度も映画館に通うことになった。
まず、舞台が沖縄から始まるので心を開くのが早かった。そして両チームの選手たちがにらみをきかせるオープニング、テンポの良い試合、愛嬌(あいきょう)のあるキャラクターたちに心をガッツリとつかまれる。
私はストーリーを知らないので、劇中の観客と同じようにシュートが入るのか否か、心臓を高鳴らせながら見ていた。見終わったあとは、息切れしていないのが不思議なほど興奮していた。
音にこだわったという監督の言葉通り、試合中の細かな動作音はとてもリアルで、まるで本当に体育館にいるようだった。私はスポーツをするより、家での読書を好むタイプなので、これほど夢中になったことに意外だと言われたが、一番驚いているのは私自身である。(スターシアターズ・玉城愛鈴)
◇スターシアターズ・公開中