楽友協会おきなわの設立10周年を記念し、コンサート「おもしろクラシック こんなクラシックってあり!?」がこのほど、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール大ホールであった。クラシックを身近に感じられるユーモア満載の曲目が並び、高い演奏技術で披露した。
同会は「クラシック音楽の普及と、社会と音楽家をつなげる」の理念を掲げる。不登校の子どもたちとワークショップを重ね、演奏や作曲もしている。
序盤、同会が子どもたちとの関係性を築いた思い出の2曲を披露した。鶴見幸代「かえるの歌変奏曲」は原曲の歌い出しから、キラキラとした音色が目立つサンサーンス風、民族的なバルトーク風、ノスタルジーな卒業式合唱風などに変奏した。「エイサーメドレー」は西洋楽器に三板が加わり、「仲順流り」「唐船ドーイ」などをつなげた。喜納響(テノール)の囃子(はやし)「イイヤーサーサー」に会場が「ハーイヤ」と返して盛り上がった。
オッフェンバック「ハエの二重唱」では、又吉秀和(バリトン)がハエに姿を変えた神様を演じ、宮城美幸(ソプラノ)が演じる女性に好意を持って近づく場面を披露した。「ジジジ」とハエの羽音を歌う又吉を宮城が歌いながらスカーフで捕まえるなど、滑稽な演出で笑いを誘った。
ハイドン作・北崎幹大編曲「交響曲第45番『告別』より第4楽章」では、ゆったりとした演奏の最中、トロンボーン、ピアノ、ギターと次々に演奏者が抜けていった。最後は電動楽器オタマトーンとトイピアノだけが残り、気の抜けた音色に会場から笑いが起きた。
終盤、代表の大城伸悟が「設立から関わってくれている方々に感謝しかない」とあいさつし、今後の活動も応援するように会場から拍手が湧いた。
(嘉手苅友也)