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「こんなクラシックってあり!?」ユーモア満載に、楽友協会おきなわ10周年コンサート


「こんなクラシックってあり!?」ユーモア満載に、楽友協会おきなわ10周年コンサート オッフェンバック「ハエの二重唱」を披露する宮城美幸(右)と又吉秀和
この記事を書いた人 Avatar photo 嘉手苅 友也

 楽友協会おきなわの設立10周年を記念し、コンサート「おもしろクラシック こんなクラシックってあり!?」がこのほど、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール大ホールであった。クラシックを身近に感じられるユーモア満載の曲目が並び、高い演奏技術で披露した。

 同会は「クラシック音楽の普及と、社会と音楽家をつなげる」の理念を掲げる。不登校の子どもたちとワークショップを重ね、演奏や作曲もしている。

 序盤、同会が子どもたちとの関係性を築いた思い出の2曲を披露した。鶴見幸代「かえるの歌変奏曲」は原曲の歌い出しから、キラキラとした音色が目立つサンサーンス風、民族的なバルトーク風、ノスタルジーな卒業式合唱風などに変奏した。「エイサーメドレー」は西洋楽器に三板が加わり、「仲順流り」「唐船ドーイ」などをつなげた。喜納響(テノール)の囃子(はやし)「イイヤーサーサー」に会場が「ハーイヤ」と返して盛り上がった。

ユーモア満載にクラシックの魅力を届けた楽友協会おきなわの出演者ら=8月28日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール大ホール

 オッフェンバック「ハエの二重唱」では、又吉秀和(バリトン)がハエに姿を変えた神様を演じ、宮城美幸(ソプラノ)が演じる女性に好意を持って近づく場面を披露した。「ジジジ」とハエの羽音を歌う又吉を宮城が歌いながらスカーフで捕まえるなど、滑稽な演出で笑いを誘った。

 ハイドン作・北崎幹大編曲「交響曲第45番『告別』より第4楽章」では、ゆったりとした演奏の最中、トロンボーン、ピアノ、ギターと次々に演奏者が抜けていった。最後は電動楽器オタマトーンとトイピアノだけが残り、気の抜けた音色に会場から笑いが起きた。

 終盤、代表の大城伸悟が「設立から関わってくれている方々に感謝しかない」とあいさつし、今後の活動も応援するように会場から拍手が湧いた。

 (嘉手苅友也)