旧駐機場使用を巡る沖縄県と米空軍の認識の相違とは…基地運用から見える米軍の特権意識


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 【嘉手納】米軍嘉手納基地所属のMC130特殊作戦機が9月27日に同基地内の旧海軍駐機場へ自走し侵入した件で、第18航空団は1日、日本語公式ツイッターで旧駐機場は日米合意のもと使用が認められていると強調し「私たちはSACO合意やその他全ての日米合意を順守している」との見解を示した。

 県や周辺市町村は「SACO最終報告の趣旨に明らかに反する」としてこれまで再三、使用中止を求めているが、米軍は事前に司令官の承認を得れば使用できるとの認識で、運用は米軍の裁量次第である実態が改めて浮き彫りとなった。

 ツイッターでは「嘉手納町の皆さんへの騒音による影響を軽減するため、必要最低限の使用に努めている」とも記された。

 本紙は旧駐機場の使用を確認した27日午後に第18航空団に事実関係と、使用に関する見解を問い合わせたが、1日までに回答は得られていない。

 沖縄国際大の佐藤学教授(政治学)は、米軍が地元新聞社へ回答せず自身の公式ツイッターに見解を掲載したことについて、日米合意違反に当たらないという認識が根底にあるからではないかと分析。「本来ならば地元住民の知る権利に応える義務がある」とした。

 旧駐機場の使用を含む米軍裁量の運用については日米合意や協定に「必要であれば」や「やむを得ない場合」など「米軍に逃げ道を与える文言が米軍の自由裁量を誘発している」と指摘。「日本政府が米軍追従から脱するため真剣に取り組み、公平な協定を締結しない限り、事態は変わらない」と述べた。