【茨城国体取材班】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体2019」第5日は2日、茨城県内各地で行われ、重量挙げの成年男子67キロ級で糸数陽一(豊見城高―日体大、警視庁)がトータル293キロ(スナッチ135キロ、ジャーク158キロ)で優勝した。種目別でもそれぞれ1位だった。国体5大会連続の優勝となった。同55キロ級の榮蒼(沖縄工―東京国際大)はスナッチで7位、トータル8位だった。同73キロ級の比嘉貴大(南城市役所)はスナッチ5位、トータルは9位。同55キロ級に茨城で出場した知念勇斗(豊見城高―早稲田大出)はジャークで132キロで1位、トータル231キロで3位だった。自転車競技はスクラッチ成年男子の平安山良希(北中城高―日体大)と、同少年男子の玉城翔太(北中城高)が決勝に進出。少年男子ポイントレースでも比嘉祐貴(同)が決勝に進んだ。ボウリング少年男子個人は西島本有生(中部商高)が予選を突破した。
◆糸数貫禄、王者の差し
6位に入った世界選手権から帰国し間もなくの国体だったが、敵なしで圧倒した。疲労が残る中でも「沖縄にも良い刺激を届けたかった。家族やお世話になった先生に恩返しできた」と結果で感謝を表した。
五輪出場の懸かった世界選手権では記録は伸び悩み、出場内定は決められなかった。それでもスナッチで自らの日本新記録を更新し、種目3位に入った。
国体は練習時間がほとんどなかったが「(世界選手権の)貯金が残っていた」。スナッチ、ジャークともに2本目で優勝を決めた。2本で終わらせるつもりだったが調子は良く、挑んだスナッチ3本目は「予想以上に軽かった」と余裕すらあった。
五輪を見据え、国際大会では「スナッチで世界レベルを維持し、ジャークで逆転する」との戦術を掲げる。達成に向け、この日のスナッチで手応えは得た。ジャークもしゃがまずに持ち上げるハイクリーンを158キロで自己記録を更新するなど、好調だった。
61キロ級の世界選手権は減量に苦しんだが、今大会は67キロ級。同階級で最も軽い63・65キロだったが「2キロ増えるとこんな違うのか」と体感し、調整の仕方で工夫するつもりだ。
61キロ級で優勝した選手が、取材で憧れの選手を問われて糸数の名前を挙げた。第一人者として、ほかのトップ選手をも引きつける。東京都で出場したが、沖縄の若い選手たちからも注目されていることを聞かれると「高い壁でありつづけますよ」と笑顔。「心は沖縄にある。東京五輪で今まで支えてくれた全ての人に感謝したい」と五輪出場に改めて意欲を燃やしていた。
(古川峻)
(高萩市文化会館)
▽成年男子55キロ級スナッチ (5)知念勇斗(茨城・茨城県競技力向上対策本部) 99キロ、(7)榮蒼(東京国際大) 93キロ
▽同55キロ級ジャーク (1)知念(茨城・茨城県競技力向上対策本部) 132キロ、(11)榮蒼(東京国際大) 116キロ
▽同55キロ級トータル (3)知念(茨城・茨城県競技力向上対策本部) 231キロ、(8)榮蒼(東京国際大) 209キロ
▽同男子67キロ級スナッチ (1)糸数陽一(東京・警視庁) 135キロ
▽同男子67キロ級ジャーク (1)糸数陽一(東京・警視庁) 158キロ
▽同男子67キロ級トータル (1)糸数陽一(東京・警視庁) 293キロ
▽同73キロ級スナッチ (5)比嘉貴大(南城市役所) 128キロ
▽同73キロ級ジャーク (11)比嘉貴大(南城市役所) 150キロ
▽同73キロ級トータル (9)比嘉貴大(南城市役所) 278キロ