米国のミサイル計画で沖縄が担わされる負担とは… 琉球大学の我部政明教授が解説


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(我部政明、琉球大教授 国際政治)

 沖縄に中距離ミサイルを配備する計画があるとすれば、中国への抑止力を高める目的だろう。狭くて隠し場所がない沖縄に置くことに実質的な意味はない。ただ、中国に対し「ミサイルが飛んできたら沖縄からも撃つ」という意思を示すことはできる。ただその場合、米国はアジアで核戦争を覚悟していることになる。本当にそれがあり得るのかについては疑問だ。

 米国が沖縄にミサイルを配備すれば軍拡競争が急加速する。中国のどこからミサイルを発射しても、沖縄は射程圏内だ。米軍基地が集中しているため現在でも標的になっているが、ミサイル配備となればその危険性が高まるのは間違いない。県民としては容認できない事だろう。

 米朝で非核化に向けた協議が進んでいることを理由に、米国のミサイル配備計画から韓国が除外された点は沖縄にとってヒントになる。アジア地域で非核化に向けた動きを推進することで配備回避につなげることができるかもしれない。

 INF廃棄条約の失効を受け、8月、米国が地上発射型巡航ミサイルの発射実験をした。日本、特に沖縄に関わりが生じるのではないかと考えているのは艦船に積まれている巡航ミサイルの運用だ。艦船の場合、補給港が近くにあることが重要だ。名護市辺野古の新基地が完成すれば、港と弾薬庫が隣接する施設として、弾薬の積み込みが可能となる。沖縄が弾薬供給の拠点となる恐れがある。
 (我部政明、琉球大教授 国際政治)