弓道女子27年ぶり快挙 仲間信じチーム一丸


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
少年女子近的決勝 2位になった(左から)津嘉山華楓、脇川桜弥、糸数智恵=6日、茨城県の堀原運動公園武道館弓道場

 【茨城国体取材班】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体2019」第9日は6日、茨城県内各地で行った。弓道の近的決勝に勝ち進んだ少年女子(津嘉山華楓、脇川桜弥、糸数智恵)は、愛知に競射の末に1―2で惜敗したものの準優勝となった。少年女子近的の準優勝は、山形国体(1992年)以来、27年ぶりの快挙だった。

 少年女子近的は津嘉山華楓、脇川桜弥、糸数智恵が出場し、決勝で愛知に惜敗した。7本同中により1人1本放つ「射詰」の勝負になり、1本差で2位だった。悔しさが残ったが、津嘉山は「一丸となって戦った」と和気あいあいと健闘をたたえ合った。

 脇川は「チームの仲が的中に出る」と仲の良さを勝因に上げた。競技以外でも一緒に過ごす3人は、的を外しても責めることなく「信じられる仲間が取り返す」と安心して射る。支柱は1年ながら最も競技歴が長い糸数だ。「射場に入ると射る音が聞こえなくなる」というほど集中し、動じずにチームを安定させた。

 大一番は初戦の鹿児島戦だった。遠的で優勝した相手に「大前」の津嘉山と「落ち」の糸数が4本全中させた。2番手「中」の脇川は相手を意識しすぎて1本目を外したが「仲間を信じてできることをやろう」と平常心を取り戻す。2本的中させて、鹿児島に1本差で競り勝った。

 決勝は、津嘉山が射形が崩れて失敗。脇川も射詰めの緊張感に先手を固定できず的を外した。最後は糸数が一矢報いたが1本差で敗れた。

 全国総体4位の糸数は「1位を取れる練習をしていく」と話し、脇川は「2位は自信になった」と経験を生かすつもりだ。引退試合となった津嘉山は「チームで頑張ってきてよかった」と有終の美を飾った。
 (古川峻)


(茨城県武道館弓道場)
 ▽少年女子近的準々決勝(12射)沖縄10―9鹿児島(沖縄=津嘉山4中、脇川2中、糸数4中)
(鹿児島=大磯4中、山下2中、楠木3中)
 ▽同準決勝(12射)沖縄7―5静岡(沖縄=津嘉山2中、脇川2中、糸数3中)
(静岡=倍賞4中、秋山0中、松浦1中)
 ▽同決勝(12射)愛知7―7沖縄(競射2―1)(愛知=太田3中、加藤1中、酒井3中)
(沖縄=津嘉山2中、脇川3中、糸数2中)
(愛知は初優勝)