希少種、密猟や開発から守る 沖縄県が保護区指定へ 県議会委員会が条例案可決


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国指定天然記念物のリュウキュウヤマガメ

 県議会土木環境委員会(新垣清涼委員長)が7日に可決した県希少野生動植物保護条例案は、15日の本会議でも可決される見通しだ。同条例は生物の多様性が確保された良好な自然環境の保全を目的とする。沖縄には固有の希少動植物が多く存在し「種の保存法」や「外来生物法」などでは規制が及ばないため、独自の条例で保護を図る狙い。県は希少種やその保護区を指定し、密猟や開発から希少種を守る。本島北部と西表島の世界自然遺産登録に向けて環境整備にもつなげたい考えだ。

 県は絶滅のおそれがある野生生物(レッドデータおきなわ)1237種、外来種371種のうち、緊急を要するものから専門家の意見を踏まえて対象を絞り込む。希少動植物については捕獲、採取、殺傷、損傷を禁止し罰則を設けるほか、生息地に関しては生態や生育状況を勘案して生息地等保護区を指定する。

 生息地の保護区指定が県民生活や経済活動の足かせになるのではないかとの質問に比嘉貢自然保護課長は「土地の所有者や事業の実施者とあらかじめ調整を図り、手続きを進める」と述べた。委員会では沖縄・自民の3人が「会派の考えがまとまっていない」と退出した後、全会一致で可決した。