「私宅監置」問う 精神医学会講座 柔らかな社会に


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「私宅監置」や精神障がいについて語る(左から)山城紀子さん、高原里緒さん、瑞慶山良光さん=12日午後、那覇市の県男女共同参画センターてぃるる

 日本の精神医療が抱える課題にさまざまな角度から光を当てる第62回日本病院・地域精神医学会総会沖縄大会が11、12の両日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるなどで開かれた。12日の市民公開講座では精神障がい者を自宅の一角などに隔離する「私宅監置」をテーマに関係者が報告した。

 沖縄戦の心的外傷後ストレス障害(PTSD)から、道行く人が敵だと思い込んで追い掛けるなどしたことから、3日ほど座敷牢に入れられた経験がある瑞慶山良光さん(90)=大宜味村=は「戦争さえなければ」と嘆いた。私宅監置を取材してきたジャーナリストの山城紀子さんは、当事者を医療につなげて地域に戻す取り組みを紹介し「社会がもっと柔らかければ仕事だって続けられる。精神疾患があっても共に暮らすことはできる」と訴えた。

 北部自立生活センター希輝々の当事者スタッフ高原里緒さん(22)は病院の保護室に入れられた経験がある。「社会からシャットアウトされてとても怖い。当事者の権利は守られているのか」と今の精神保健医療の在り方に疑問を呈した。