県平和祈念資料館などが主催する「『平和への思い』発信・交流・継承事業」で、11日から研修をしていた県と東南アジア地域の学生らによる報告会が19日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。学生らはそれぞれの国の悲惨な歴史を振り返りつつも、未来に平和への思いをつなげていくことを誓った。発表会の最後には「互いに敬意を持ち、信頼と友情を育み、世界平和への架け橋となるよう努める」との共同宣言を発表した。
研修はアジア全体の平和を目指すために、互いの国の歴史を認識して友好関係を築く目的で開催。沖縄のほか、悲惨な戦争や虐殺などを経験したカンボジアや韓国、台湾、ベトナムの学生25人が参加した。
参加国それぞれにポル・ポト政権下の虐殺や済州島4・3事件、2・28事件、ベトナム戦争、沖縄戦など、住民が被害に遭った歴史がある。学生らは各地の歴史と沖縄で学んだことを踏まえ、「平和」を次世代に継ぐための意見を発表した。
ロールプレイを取り入れた平和教育や、会員制交流サイト(SNS)の活用など、国境や宗教を超えて平和を発信する方法を提案した。討議では新垣誠沖縄キリスト教学院大教授がコーディネーターを務めた。