新基地阻止「世界で」 ホープスポット 保全広がり期待の声


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ホープスポット認定を受けて会見する(左から)吉川秀樹さん、安部真理子さん、東恩納琢磨さんら=25日、環境省

 【東京】米環境NGOから「ホープスポット」に認定された辺野古・大浦湾の一帯。世界自然遺産登録に向けた取り組みが進む北部の森とともに、豊かな自然が国際的な注目を集める。国内初とあって知名度はこれからだが、海外の団体とのつながりが強まることで辺野古の新基地建設を止め「辺野古・大浦湾の海を、世界の専門家と守っていきたい」と関係者は期待を込める。

 「認定は地域の誇り。(新基地建設が進む中)やっぱり違うんだと。世界は見ているんだという希望につながる」。会見で東恩納琢磨・ジュゴンの里代表(名護市議)は笑顔を見せた。認定を受けて日本自然保護協会は25日から、安倍晋三首相に新基地建設工事の一時停止を、玉城デニー知事に工事実施区域の保護などを求める署名活動を始めた。

 辺野古周辺では20平方キロメートルの範囲に絶滅のおそれがある262種を含む5300種の海洋生物の生息が確認されている。ジュゴン保護キャンペーンセンターの吉川秀樹さんは151万平方キロメートルに7千の海洋生物が生息する米ハワイ州の「パパハナウモクアケア海洋ナショナル・モニュメント(海洋保護区)にも匹敵する」と意義を語った。

「ホープスポット」に認定された海域(グーグルアースをもとに日本自然保護協会が作成)

 同日、日本自然保護協会などが行った政府交渉で環境省の担当者は、選定基準や認定団体との交流がないとして直接のコメントは避けたが、今後、情報収集を進める考えを示した。NGOの指定ではあるが、外国では行政を動かす例も。ニュージーランドではイルカの混獲を防ぐためパブリックコメントを集めるなどの取り組みが進められているという。

 日本自然保護協会の安部真理子主任は「世界中のホープスポットの力を集めれば、政策決定者が無視できない、海の保全に役立つ力になる」と強調した。