PFOSの独自基準に難色 沖縄県、ママの会の要望に回答


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水道水中のPFOS濃度の独自基準設定などについて県に要請する水の安全を求めるママたちの会の山本藍代表(左列右から2人目)ら=25日、県庁

 発がん性などのリスクが指摘される有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)が県内7市町村に給水する北谷浄水場の水源から高濃度で検出されている問題で、県企業局などは25日、「水の安全を求めるママたちの会」(山本藍代表)の要望に対する回答書を県庁で交付した。「ママたちの会」は水道水中のPFOS濃度について、県が独自に基準値を設定するよう求めていたが、県は「国において最新の科学的知見を収集しつつ、専門家等の意見も踏まえながら検討されると理解している」とし、基準設定に難色を示した。

 北谷浄水場から給水される水について県は「目標値がないPFOS等についても、米国環境保護庁(EPA)の生涯健康勧告値を参考に水質管理を行っており、同勧告値より低いレベルとなっている」とした上で「安全性は担保されている」とした。

 山本代表らは、米国ではミシガン州などで県が参考とする米EPA勧告値より厳しい規制値を独自に設定するなど、厳格化の動きが続いていることを指摘。「県が採用しているのは米国内でも批判のある数字だ。研究が進む中で安全だと言い切ってしまうのは乱暴だ」と批判した。

 県企業局配水管理課の志喜屋順治配水調整監は「(米国の州独自の)数字は把握している。今後どのように評価されていくか注視していく」とし、当面は来年4月に予定される厚生労働省による目標値の設定を待つ考えを示した。