「男は我慢。泣いてはいけない」にとらわれアルコールに 当事者が語るアルコール依存


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【名護】アルコールやギャンブル、ゲームなど各種依存症の回復支援に取り組むワンネスグループは18日、名護市中央公民館で「依存症を知るセミナーin名護」を開いた。同グループの支援でアルコール依存症からの回復に取り組むノーリーさん(仮名)が自身の経験を語った。「ようやく自分探しが始まった気がする。酒を飲まなくても幸せに生きていきたい」と来場者に訴えた。

アルコール依存症の経験を語るノーリーさん(仮名)=18日、名護市中央公民館

 ノーリーさんは、3人きょうだいの長男として育ち「弱音を吐くな」と育てられてきたという。「男は我慢。泣いてはいけない」という観念にとらわれ、その感情を「アルコールで処理してきた」と語った。一方で、沖縄では地域行事などで酒を口にする場が多いことも指摘し「酒の失敗に寛容な雰囲気がある」と強調する。

 何をするにも酒がないとやっていけなくなり、記憶も曖昧になっていった。結婚して子どももおり、仕事もしていたため「酒をやめれば社会生活ができるという意識があった」と振り返った。今回の登壇は「ろくでなしな自分でも人の役に立てるのではと思った」と動機を語る。

 同グループは学校での薬物乱用防止教室も開いている。問い合わせは同グループ支部(電話)(0120)111351。