「異常と言わざるを得ない」米軍のパラシュート降下訓練強行 沖縄県副知事が防衛局長ら県庁に呼び出し抗議 知事が関係省庁で抗議も


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
川村裕外務省沖縄担当大使(左から2人目)と田中利則沖縄防衛局長(左端)にMC130Jからの部品落下と伊江島や嘉手納基地で行われたパラシュート降下訓練 などについて抗議文を手渡す謝花喜一郎副知事=30日、県庁

 米軍が嘉手納基地でパラシュート降下訓練を強行したことについて、謝花喜一郎副知事は30日午前、川村裕外務省沖縄担当大使と田中利則沖縄防衛局長を県庁に呼び出して抗議した。今後は実施させないよう米側への働きかけを求めた。米軍MC130J特殊作戦機の部品落下事故や米兵による刑法犯が相次いでいる問題にも抗議し、再発防止を求めた。

 謝花副知事は「(米軍関連の問題が)あまりに多すぎて整理が追い付かない。異常と言わざるを得ない」と抗議し「日本政府として米軍の度重なる行動に厳正な対応をしてほしい」と求めた。玉城デニー知事が直接、関係省庁を訪れて抗議するという県の意向も伝えた。

 川村大使はパラシュート降下訓練について「事前に日米で認識を共有しないままに訓練が実施されたことは極めて残念だ」と述べた。「安全確保は米軍駐留の大前提だ。地元に不安を与えることがあってはならない」とし、再発防止を求める考えを示した。

 田中防衛局長はパラシュート降下訓練を巡り「米軍の一連の対応は非常に不適切だ。現地米軍に問題だと伝え、話し合いたい」と話した。事件事故については安全管理の徹底を米側に求めているとした。

 謝花副知事は口頭で伊江村でのパラシュート訓練で兵士が民間地に降下した事故や、米軍ヘリの緊急着陸などに対しても抗議し、再発防止を求めた。
【琉球新報電子版】