沖縄沖での米軍機接触事故、非公表に防衛相は…


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 【東京】米海兵隊が2016年4月に沖縄本島沖でFA18戦闘機とKC130空中給油機との接触事故を起こしながら公表せず、調査も見送っていた問題について、河野太郎防衛相は5日の会見で「(日本側に)通報がなかったのはルール違反でもあろうかと思う」と述べ、状況把握を急ぐ考えを示した。茂木敏充外相も同日の会見で「地元の方々に不安を与えるようなことがあってはならない」と語った。

 未報告の事故があったことは、昨年12月に高知県沖で発生したFA18とKC130の墜落事故の調査報告書で分かった。調査の過程で、FA18の部隊内で手放しの操縦や自撮りなどの規則違反が常態化していることも判明。高知沖の事故の2年以上前に起きた沖縄の事故をしっかり調査していれば「(高知は)防げた可能性がある」と指摘している。

 日米両政府は1997年の日米合同委員会合意に基づき、在日米軍による事件事故発生時の通報体制を確認している。防衛省によると、米軍が今年9月26日に公表した調査報告書から未報告の事故の存在を確認し、米側に詳細や通報がなかった理由を問い合わせているが、1カ月以上たった5日時点で回答はないという。日米合意に沿って米側が通報すべきかどうかについて、同省の担当者は「判断しかねる」と説明した。