【記者解説】危機意識の欠如が浮き彫りに サル逃走の教訓は…


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 「沖縄こどもの国」が飼育していた国指定天然記念物で絶滅危惧種リュウキュウヤマガメと希少種セマルハコガメの盗難は、園側の希少動物を取り巻く現状に対する認識の甘さや、管理体制の不十分さを改めて浮き彫りにしたと言える。

 昨年、香港に大量のリュウキュウヤマガメが密輸された事件があり同園では把握していたが、職員への教育不足で「カメが狙われかねない」との危機意識は薄く、今回の事態を招いた。

 また今年6月、職員の鍵の閉め忘れによってヤクシマザルが逃走したが、解決後に原因を検証したにもかかわらず、神里興弘園長は「通報体制については抜け落ちていた」とした。今回の盗難とは違うケースとの認識を示した上だったが、結果的に緊急時の連絡体制が整っていなかった形だ。

 いずれにせよ今後も盗難などが発生する懸念は拭えない。飼育する動物の命を守るべき運営者としてあらゆるリスクを検証し、組織内での認識共有と管理体制強化に取り組むことが求められる。

(下地美夏子)