「今の幸せは苦労した先人のおかげ」 秋田の東北醤油が元女子学徒同窓会に20年間寄付 手紙通じ交流続く


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「お気持ちがすごくありがたい」と話す中山きく会長(前列中央)と会員ら=1日、那覇市安里

 秋田県の東北醤油(しょうゆ)は2000年から毎年、沖縄戦に動員された県立第二高等女学校の元女子学徒らでつくる白梅同窓会に10万円を寄付している。平和な時代の実現に寄与した先人への感謝を伝えたいとの思いで始まった交流は今年で20年目を迎え、中山きく会長は「同窓会への気持ちを寄付という形で表現してくださることがうれしい」と話した。

 同社は2000年9月、社員研修で沖縄を訪れた。糸満市のひめゆりの塔を参拝した際に、案内したバスガイドから白梅同窓会についての説明を聞いたという。その後、同窓会と連絡を取り交流が始まった。団体での来県などはないが、この20年間、手紙のやり取りなどを通して関係を深めてきた。

 中山会長は「他県の方々が『今の幸せな時代があるのは命がけで苦労した先人たちのおかげだ』と言ってくれて、その気持ちを寄付という形で表現してくださることがうれしい」と感謝を述べた。寄付金は慰霊祭や同窓会の運営で活用されてきた。

 同社の佐竹宏明社長は「同窓会の手紙から、喜んでいただいていることが伝わり、寄付を続けてきた。今後も継続できるよう会社全体で頑張っていきたい」とコメントした。
 (上里あやめ)