うるま市出身のバンドHYが、ブラジル・サンパウロ市にあるブラジル日本文化福祉協会大講堂で現地時間8日夜、ライブを行った。20周年を迎えるHYにとって初となる南米ツアーはブラジルを皮切りに、ペルーでも開催される。
HYは2016年の「世界若者ウチナーンチュ大会in沖縄」の一環で開催された勝連城跡でのコンサートに出演、その縁で18年に「世界の若者ウチナーンチュ大会inペルー実行委員会」に招かれて歌った。それ以来の南米ライブになる。
8日午後8時から始まったライブには、995人がブラジルだけではなくアルゼンチンやウルグアイからも駆け付けた。HYの新里英之、許田信介、仲宗根泉、名嘉俊は日本からの長旅にもかかわらず、2時間にわたってパワフルなパフォーマンスや情熱を込めた歌声を届けた。琉球國祭り太鼓や現地の学生とも共演。舞台には、HYの曲「Oh! AIWO」にちなみポルトガル語で「Oh! Amor!!」と表示されていた。コンサート終了後、メンバーはファンとの記念撮影に応じ、同日夜にはペルーへ向かった。
HYは約20時間以上をかけ、現地時間7日にブラジルに到着。7日午後5時から記者会見を開いた。メンバーからは、サンパウロは沖縄のガジュマルに似た木々や、ヤシの木が生えていて沖縄に帰ってきたような感じに思えたことや、空港で働くうるま市出身の県系人に出迎えられたことなどが語られた。「ライブでは幅広い年齢層のために歌いたい」との抱負もあった。
記者会見後、メンバーはブラジル日本文化福祉協会の運営するブラジル日本移民資料館を訪れ、移民の歴史を学んだ。ブラジル沖縄県人会も訪問。上原ミルトン定雄会長にあいさつをした後、県人会館内を見学した。午後8時からは沖縄県人会主催の歓迎夕食会に出席、県人会から表彰された。
ライブを主催した「Zai Live社」の銘苅ロドリゴさん(38)=浦添市系3世=は「ライブは素晴らしく、期待していた以上だった。ファンが楽しみにしていて、会場全体がHYに反応していた」と語った。
(城間セルソ明秀通信員)