「首里城、頑張れ~」。焼失した首里城の再建応援と現場で消火活動に当たった消防隊員への感謝を込め、沖縄県うるま市消防の上江洲清政さん(54)=同市=は、手作りの首里城を頭にかぶり第30回中部トリム・ハーフマラソンに出場、個人でパフォーマンス大賞を受賞した。17日、沖縄市の県総合運動公園タピック県総ひやごんスタジアムを発着点に開催された中部トリムマラソン10キロの部で、沿道から多くの声援を受けてゴールした。上江洲さんは「大賞は首里城に皆の思いがあってこそで感無量だ。早期に再建してほしい」と願った。
10月31日の焼失当日、テレビをつけると燃えている映像が映し出された。「沖縄の魂でシンボル」(上江洲さん)が燃え落ちる様子に涙した。首里城であった2000年の沖縄サミットは現場で警戒に当たった思い出があり、近々見に行く予定だったという。
ほぼ毎年出場している中部トリムに向け、約1週間かけて段ボールなどを使い、試行錯誤しながらかぶり物を製作した。横は「琉球魂」、後ろは「蘇(よみがえ)れ首里城」と書き願いを込めた。
多くの人から声援を受け「ありがたかった」と感謝する。知人から借りた芭蕉(ばしょう)布の着物も着て夏日の中を走ったが、「(火災当時の)隊員の熱さに比べたらきつくない」と消防士らしく振り返った。