沖縄を代表するアーティスト古謝美佐子さんが、ママたちの手作りイベント「ことりフェス」に賛同する理由


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「子どもたちにいい環境の中で育ってほしい」と話す古謝美佐子さん=読谷村

 宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園に米軍部品が落下してから2年になるのを前に、子どもたちにとって安全な環境について考える音楽&交流イベント「ことりフェス~お空を飛ぶのは小鳥さんだけがいいな~」が24日、宜野湾市立中央公民館で開かれる。イベントに2年連続で出演する歌手、古謝美佐子さんは「お母さんたちが訴えていることは当たり前のこと。当事者の頑張りを支えたい」とエールを送る。

 イベントは緑ヶ丘保育園の保護者を中心とした実行委員会が主催する。普通のお母さんたちが育児、仕事の傍ら出演者に交渉し、協賛広告を取り、イベントの準備をしている。そんな手作りのイベントに古謝さんが賛同するのは「将来を担う子どもたちにいい環境の中で育ってほしい」という一心からだ。

 米軍嘉手納基地を抱える嘉手納町出身。父は米軍基地の中で起きた交通事故で亡くなった。幼い子ども3人を抱えてシングルマザーとなった母は軍人の家族の服を縫い、生計を立てた。「母が苦労しているのを見ていた。米軍基地に違和感があっても、それは口にできなかった」

https://yuima-okinawa.jp/project/detail/573

 年齢を重ね、見えてきた沖縄社会のさまざまな問題。孫ができてから基地問題、環境問題などで自分の考えを発信するようになった。「今の沖縄が抱える問題は沖縄戦から続く戦争被害なのよ」。74年間で「当たり前」になってしまった風景を立ち止まって考えてみることを提案する。

 「保育園の上を米軍機が低空飛行する。安心して遊べない環境は異常なのに慣れさせられてしまっている。過去には墜落事故も起きている。『過去のことをいまさら』と言う人もいるが、過去の出来事から学ぶことはとても大切」と力を込めた。
 (玉城江梨子)

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 「ことりフェス」は24日午後2時半開演。入場無料。開催費用をクラウドファンディングYUIMAで募っている。