五輪切符へ体力強化 カヌー代表、沖縄で合宿 県出身の當銘・大城が積むトレーニングとは…


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日本代表合宿で練習に励む(左から)大城海輝、當銘孝仁=20日、宜野座村の漢那ダム(大城直也撮影)

 沖縄水産高出身の當銘孝仁(大正大出―新潟・三条市スポーツ協会)、大城海輝(鹿屋体育大出―三重県体協)がメンバー入りしているカヌースプリント男子日本代表が、3日から宜野座村の漢那ダムで合宿を行っている。12月20日まで。2人は東京五輪出場枠を懸けたアジア選手権(2020年3月、タイ)を皮切りに、本格化するシーズンを戦い抜く土台づくりのまっただ中だ。

 合宿はペドロコーチ(ブラジル)の指導の下、當銘と大城を含む3選手で行っている。現在は多い日で20キロ乗り込み、耐久レースを行っている。20日に行われた練習は選手それぞれが黙々とパドルをこぎ続け、ピリッと張り詰めた空気の中2時間ほど乗り込んだ。

 その後は個別でフィジカルトレーニングを行った。「体重をもっと増やし、大会へ向けてシェイプしていく」と話す當銘は今後、さらに強度を上げた練習を積むという。来春の合宿ではパドリングの精度とスピードをひたすら求め、体をしぼっていく。

 ペドロコーチは「(當銘、大城は)試合のたびに速くなる」と伸びしろに驚く。2人は世界選手権(8月)のカナディアンペア1000メートルでB決勝4位。東京五輪出場枠を獲得できなかったが、アジア勢では中国に次いで2位と健闘。優勝すれば五輪出場枠を得られるアジア選手権では中国が出場しないため、自力で五輪切符をつかむ可能性が濃厚となった。

 2人はペアを再び組む可能性もあるが、いまは適性を再び見直すなど調整中だ。夏場は連戦が続き、右肩を痛めていた當銘。「仕上がりはまだ2割程度。でも少しずつ良くなってきている」と復調の兆しを見せた。2年前に初めて日本代表に選出されて以来、急成長を続ける大城は、ベンチプレスの重量もこの1年間で120キロから130キロに増えた。「外国勢と比べるとまだスタートが遅い。まだ足りない」と向上心は尽きない。
 (喜屋武研伍)