【本部】沖縄美ら海水族館はこのほど、サバ科の魚グルクマの繁殖に世界で初めて成功した。飼育が難しいふ化後2週間ほどを、餌を小さくする工夫によって30匹が生き抜いた。7月にふ化した幼魚は現在全長約15センチまで成長し、成魚の特徴である縦じま模様が入り始めている。幼魚は、水族館に隣接する総合休憩所美ら海プラザ内の水槽で間近に見ることができる。
グルクマは太平洋などに広く分布する。成魚は全長約40センチで、背中に黒い斑点の列が縦方向に並ぶ。
同館では「黒潮の海」大水槽で成魚を飼育し、受精卵をふ化させて繁殖に取り組んでいる。まとまった数が大きく成長するのは初めて。初期に与える餌として培養しているプランクトン・シオミズツボワムシの大きさを従来より小さくしたことで、育成に成功したとみられる。
幼魚は体長約30センチになると大水槽に移す。美ら海水族館の飼育係・村上茜さん(25)は「しばらくはプラザの水槽で飼育する。かわいらしい姿を近くで見てほしい」と話した。美ら海プラザは入館無料。