県文化財漆器 激しく損傷 首里城火災で焼失収蔵品は395点


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火災後、首里城から運び出された県指定有形文化財「黒漆菊花鳥虫七宝繋沈金食籠」(沖縄美ら島財団提供)

 那覇市の首里城火災で、指定管理者の沖縄美ら島財団は6日、同市おもろまちの県立博物館・美術館で記者会見し、県指定有形文化財の漆器「黒漆菊花鳥虫七宝繋沈金食籠(くろうるしきっかちょうちゅうしっぽうつなぎちんきんじきろう)」と「黒漆牡丹七宝繋沈金食籠(くろうるしぼたんしっぽうつなぎちんきんじきろう)」は焼失を免れたものの損傷が激しく、修繕には複数年かかると明らかにした。漆器486点のうち41%に当たる201点が焼失。現存を確認した285点もほぼ劣化しており、108点が重度、83点が中程度の損傷という。

 会見では全収蔵品1524点のうち、焼失した可能性が極めて高い395点のリストも公表。現存1129点のうち県指定有形文化財の絵画「白澤之図(はくたくのず)」など10点を火災後初めて報道陣に公開した。白澤之図に目立った損傷はなかった。

 財団によると、文化財は火災翌日の11月1~3日に城外に搬出、今月5日までに専門家らを交えた確認をほぼ終えた。大型の漆器類は寄満(ゆいんち)の収蔵庫に入っていたため焼失しなかったが、通常22度に設定している室温が最大で97・4度まで上昇。熱で器が変形したり、消火の際に入り込んだ水で保存用の薄紙が張り付いたりして塗膜が劣化し、細かな亀裂が入ったものも多数確認されたという。黒漆菊花鳥虫七宝繋沈金食籠は特に状態が悪いという。