泡盛醸造原料米、刈り取りに汗 名護、年明けに仕込み


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
泡盛の原料米を県内でつくるプロジェクトで、長粒種の「夢十色」を刈り入れするプロジェクトメンバーや酒造所の職員、消費者ら=7日、名護市真喜屋

 泡盛の輸出拡大に向け付加価値を高める「琉球泡盛テロワールプロジェクト」で7日、名護市真喜屋の田んぼで原料米の収穫が行われた。プロジェクトのメンバーや、収穫した米で泡盛を醸造する龍泉酒造(名護市)の社員、泡盛愛好者らが参加した。雨が降り、時折強い風が吹く寒空の下で、ぬかるみに苦戦しながら鎌を使って稲を刈り取った。

 泡盛の多くはタイ米を使用してるが、原料の長粒米から県内で栽培し、泡盛にテロワール(地域の特徴)を持たせていこうという取り組み。年明け1月以降、収穫米を使って泡盛の仕込みが始まる予定という。

 真喜屋を含む旧羽地村一帯は米所として知られる。栽培しているのは「夢十色(ゆめといろ)」という品種で、農家の小出晋也さん(35)は「生命力が強く、分けつも多かった。台風にもびくともせず、普通のお米と比べても栽培は簡単だった」と話した。

 龍泉酒造の黒澤誠二工場長(50)は「地元でできたお米を使って泡盛を造るのはめったにないことだ。ストーリー性があり、付加価値を高められる」と話した。

 同プロジェクトは伊平屋村や石垣市でも原料米を栽培している。