「物」扱いで捨てられる鶏を守りたい 保護活動をする女性、闘鶏禁止条例の制定を陳情


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袋に入れて捨てられた鶏。発見後すぐに死んでしまったという=2018年2月、糸満市内(本田京子さん提供)

 【糸満】闘鶏(タウチー)で傷ついたとみられる鶏を糸満市内で保護している本田京子さん(43)がこのほど、闘鶏を禁止する条例の制定を求める陳情書を糸満市議会に提出した。本田さんは傷ついた鶏約180羽を保護し、現在も約100羽の餌やりやけがの対処に追われている。本田さんは「傷ついた鶏が『物』として扱われ、悪気もなく捨てられている。現状を何とかしたい思いで陳情した」と話し、県内全議会に条例制定を求めていく考えだ。

 陳情書は、(1)闘鶏を禁止する糸満市の条例制定(2)闘鶏をした人への罰則や見物者への罰金、警察の取り締まり強化、飼育者の登録義務―の2項目を求めている。市議会民生委員会は11日、本田さんから話を聞いて現状を確認する。

 本田さんは2017年夏ごろ、けがをした鶏を発見し保護を始めた。闘鶏で傷ついたまま餌袋に入れて捨てられていたり、足や羽を縛って山や畑などに放置されていたりするという。片目や両目がなく、頭蓋骨がむき出しの状態で捨てられた鶏などを本島各地で約180羽保護した。

 支援者が餌などを提供しボランティアも世話を協力するが、保護される鶏は減らない。本田さんは「沖縄では闘鶏は禁止されておらず、行政も警察も把握できていない」と、根本的な解決策として闘鶏を禁止する条例の重要性を強調した。