人手不足解消、工期短縮の切り札になるか 賃貸物件の修繕、1社で対応 沖縄の内装業


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インベスターズがリフォームを手掛けた物件の内装(同社提供)

 内装業のインベスターズ(浦添市、宮里大輔代表)が、アパートやマンションの修繕を一括して請け負う多能工化の取り組みを始めている。不動産の修繕は複数社で分業して進めることが一般的だったが、自社で一貫して全ての作業を担当することで予算や工期を抑える。建設業界で人手不足や施工費の高騰が課題となる中で、宮里代表は「1社で複数の作業を行う多能工化で課題を解決できる」と強調する。

 アパートなどの賃貸物件は住人の退去後、部屋の原状回復のため修繕工事を行う必要がある。通常は壁紙の張り替えや水回りの修繕など、複数社で分業して手掛けているという。行程ごとに担当業者が変わると、引き継ぎなどに時間がかかり、人手不足で人件費も上がっているため、施工費を押し上げる可能性もある。

 宮里代表は「修繕費用が高くなると、アパートやマンションの経営者にとって大きな負担になる」と指摘する。

 インベスターズでは営業から施工物件の現場管理、修繕作業や顧客への引き渡しまで一貫して引き受けている。1人の社員が複数の業務をこなせるように技術を磨いており、18年1月の設立以降、300件以上の施工実績がある。複数社で工事を請け負う場合と比較して、施工費を4割ほど削減することも可能という。

 現在は賃貸物件のリフォームを中心に受注しており、将来的に一戸建て住宅の管理を手掛けることも視野に入れる。宮里代表は「住宅の管理や修繕を担うホームドクターのような仕事を手掛けることが今後の目標だ」と力を込めた。