「乾杯」の2文字の記載を要望するワケは? 泡盛振興条例素案で参考人4人が意見


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「県泡盛の文化の振興に関する条例」の素案について、「乾杯の推進」の文言を残してほしいと求める(左から)泡盛マイスター協会の守田結子会長、県泡盛同好会の上間信久会長、県酒造組合の佐久本学会長、県卸売酒販組合連合の喜屋武善範会長=13日、那覇市泉崎の県議会

 県議会経済労働委員会(瑞慶覧功委員長)は13日、議員提案を目指す「県泡盛の文化の振興に関する条例」の素案について、県酒造組合の佐久本学会長ら4人を参考人として招き、意見を聞いた。条例の制定を陳情してきた参考人からは「『乾杯条例』の方が県民に伝わりやすい」などの意見が相次ぎ、条例の名称か条文に「乾杯」の文言を残すよう要望した。

 委員会の各議員から「陳情者の意向は尊重する必要がある」との意見が出たことで、20日に再度委員会を招集し、乾杯の文言を入れるかを審議する。

 条例の名称に「乾杯の推進」を入れる場合は、推進のための具体策を定める条項の設定や、その他の条項の修正も必要となる。変更点が多くなり、委員会内の議論やパブリックコメント(意見公募)の手続きがずれこむと、現在の県議の任期中で最後の定例会となる2月定例会での議員提案は難しくなる可能性がある。

 条例名は変えずに、条例の前文に乾杯の推進に関する文言を入れるなどの場合は、変更点は少なくて済むという。20日の会議でそれぞれの課題などを踏まえ、方向性を再検討する。

 参考人として意見を述べたのは佐久本会長のほか、県泡盛同好会の上間信久会長、県卸売酒販組合連合の喜屋武善範会長、泡盛マイスター協会の守田結子会長。いずれの団体も「乾杯条例」制定の陳情者に名を連ねている。

 経労委は当初、「乾杯条例」を制定する方向で検討を進めてきた。全国で同様の条例を定めた11県の事例では酒類の消費拡大効果が見られなかったことや、アルコール依存症や未成年飲酒、飲酒運転などの問題も考慮して「文化の振興」に主眼を置いた素案をまとめた経緯がある。