〈32〉みんなの献血 県内の全高校で実施を


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 乃木坂46による「みんなの献血」キャンペーンをテレビでご覧になったり、ラジオでお聞きになったりしたことはあるでしょうか。

 献血とは、健康な方から自発的に無償で血液を提供いただくことです。その血液は、検査で安全性を確かめた後、病気やケガ、そして手術で輸血を必要としている患者さんの元に送られます。

 わが国では、毎日約3000人の患者さんが輸血を受けています。血液はまだ人工的につくることができず、長期保存もできません。そのため、輸血に必要な血液を安定して確保するには、一時期に偏ることなく、1日当たり約1万3000人の方に献血にご協力いただく必要があります。

 しかし、わが国では少子高齢化等の影響により、主に輸血を必要とする高齢者層が増え、献血にご協力いただく若い世代が減少しています。全国的に10~30代の献血協力者は、この10年間で35%(約98万人)も減少しており、図に示すように、沖縄県でも同様です。若い世代の献血離れがこのまま進んでいくと、血液の安定供給に支障をきたす心配があります。

 その対策の一つとして赤十字血液センターでは高校献血に積極的に取り組んでいます。沖縄県には高校が63校あり、2018年度には、そのうちの46校(73%)で献血を実施できました。県によっては全ての高校で献血を実施しているところもあります。

 沖縄県でも全ての高校で献血を実施するために、学校関係者や保護者の皆さまのご理解とご協力が必要となります。今後も患者さんに血液を安定的に届けるために、よろしくお願いしたいと思います。

(久田友治、沖縄県赤十字血液センター 内科)