【記者解説】政府、一括交付金に〝冷遇〟 沖縄県の裁量狭める意図透ける 一方増額された予算とは…


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 政府の2020年度沖縄関係予算は、沖縄振興一括交付金が19年度当初予算比で79億円減、20年度概算要求比で174億円の減額となった。沖縄関係予算全体で概算要求比180億円の減少幅のうち、一括交付金の減額分だけで96%を占める。那覇空港の第2滑走路増設事業が19年度で終わり、20年度は同事業に使われた約200億円の減少が見込まれる中でも、公共事業関係費などは19年度と同額の1420億円を維持する。主要事業の概算要求額が軒並み確保される中で、県や市町村に対する一括交付金への“冷遇”ぶりが際立つ。

 県を通さず国が直接市町村などに交付する沖縄振興特定事業推進費は19年度当初予算比25億円増の55億円となり、徐々に存在感を増してきた。

 沖縄側で配分額を決める一括交付金が減る一方、使途が限定されるなど政府側に裁量権が大きい予算の割合が増加していることは、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に反対する県政が続く県側の裁量を狭める意図も透ける。

 一括交付金の減額を背景に、県内では市町村が実施するハード事業の遅れも指摘されている。

 県などは一括交付金について概算要求額の1188億円「以上」の確保を求めてきたが、逆に減額されることとなり、県内のハード事業への悪影響が懸念される。
 (知念征尚)