「復元は大きな意味があると台湾側も思っている」 台湾分処長、首里城の資材調達に前向き 沖縄県に寄付金送る


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 台湾当局の在沖代表に当たる台北駐日経済文化代表処の范振國(ハンシンコク)・那覇分処長は19日、首里城再建に向けた台湾産ヒノキの調達について「復元は大きな意義があると台湾側も思っている。日本政府や県から正式に要望があれば台湾で検討すると思う」と前向きな姿勢を示した。寄付金贈呈で訪れた県庁で記者団に語った。

玉城デニー知事(中央)に寄付を託した台北駐日経済文化代表処の范振國那覇分処長(左から4人目)、日本琉球華僑総会の張本光輝会長(同2人目)ら=19日、県庁

 台湾産ヒノキは前回の首里城復元で使用され、今回の再建でも台湾産ヒノキの使用が期待されているが、伐採が禁止されている。

 范処長は「前回の復元時には伐採禁止の法律がなかった訳ではない。(今回も)さまざまな可能性がある」とした。その上で「個人的な考えだが、民間企業などのストックもあるかもしれない。流木で立派な木材は台湾政府が倉庫で管理しており、(それらを使うのも)一つの手ではないか」と語った。

 范処長は19日、台湾当局からの再建に向けた寄付金100万台湾ドル(約350万円)、県内在住の台湾出身者でつくる日本琉球華僑総会の張本光輝会長は会員から募った200万円の目録を玉城デニー知事に手渡した。玉城知事は「温かい支えを心に受け、一日も早い復旧・復興に励みたい」と感謝した。