琉球芸能大使館主催の舞台「五月九月(ぐんぐぁちくんぐぁち)」が、2019年度(第74回)文化庁芸術祭の大衆芸能部門で大賞を受賞した。「五月九月」は、関東参加公演の部に参加し、関西参加公演の部も含む53公演の中から唯一大賞に選ばれた。音楽部門関東参加公演の部優秀賞には「照喜名朝國独奏会」が選ばれた。琉球古典音楽の音楽部門優秀賞受賞は、1979年(当時は古典音楽部門)に受賞した人間国宝の照喜名朝一さん以来となる。
「五月九月」は、喜劇にのせて琉球舞踊や組踊の抜粋、先島の芸能など、多彩な芸能が楽しめる作品。沖縄県内では2013年から上演し、東京公演は初。受賞理由では「レベルの高い琉球の伝統芸能を堪能できる構成も秀逸。海上交易を通じて育まれてきた沖縄独自の文化の豊かさをあらためて改めて感じさせた意義も大きい」と評された。
「照喜名朝國独奏会」の受賞理由については「『十七八節』をはじめとする琉球古典音楽の独唱曲を中心に、組踊、毛遊び、琉球舞踊も組み入れた構成は企画性に富み、沖縄の音楽と芸能の魅力を十分に伝える内容であった。広音域の旋律を朗々と歌い上げる美声には柔らかみと張りがあり、三線の豊かな音色と相まって、曲ごとに異なる情感を引き出し、多彩な表現力で観客を魅了した」と評された。
表彰式は来年2月13日に東京都内で行われる。【琉球新報電子版】