「愛しているぜ清志郎!」元RCサクセションの仲井戸が下地イサムと対バン


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 「古井戸」「RCサクセション」の元メンバー仲井戸“CHABO”麗市のツアー沖縄公演が14日、那覇市の桜坂劇場で開かれた。沖縄公演で仲井戸が宮古島出身のシンガー・ソングライター、下地イサムと対バン。2人の奏でるギターと美声に観客は終始酔いしれた。

アンコールでセッションする仲井戸“CHABO”麗市(左)と下地イサム=14日、那覇市の桜坂劇場

 前半は下地が歌った。「ミッタカッタサンザクンザ」や「ラストワルツ」など、叙情的なミャークフツ(宮古言葉)を聴かせた。「また夢でもみてみるか」では下地の哀愁漂う声が観客の心を引き込んだ。MCでは仲井戸との共演に喜び「私にとって歴史的な日。わが家の車にCHABOさんを乗せる日が来るなんて」などと伝えて、観客の笑いを誘った。

 後半は仲井戸がステージに立って「沖縄久しぶりー!」と叫び、ギターをかき鳴らした。「ブルースをぶっ飛ばせ」では感情をぶつけるように歌い、序盤から聴き手の心をわしづかみにした。

 中盤では忌野清志郎の「毎日がブランニューデイ」などを切れよく歌い上げ、「ありがとう、愛しているぜ清志郎!」と声を張り上げ、RCサクセションのメンバーだった清志郎をたたえた。

 そのほか「古井戸」時代の曲「いつか笑える日」を情感たっぷりに歌い、「ガルシアの風」では厚みのあるリーディングを聴かせた。

 アンコールでは下地と一緒に「雨上がりの夜空に」を熱唱。観客が総立ちとなって、会場は熱気の渦に巻き込まれた。ラストは下地の新曲「旅をする人~Journey Train~」で心を落ち着かせ、幕を閉じた。

 ライブでは仲井戸のカラーを前面に出さず、下地とのツーマンライブを強く意識させたセットリストだった。それぞれのファンのためにという2人の気持ちがライブに込められているように感じた。

(金城実倫)