バレーボールの第72回全日本高校選手権(春高バレー)第3日は7日、東京都調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザで準々決勝まで行われた。男子西原は3回戦で慶応(神奈川)に勝利し、8年ぶりの8強進出を決めたが、準々決勝で昨年準優勝の清風(大阪)に惜敗した。準々決勝では、序盤から両者譲らぬ接戦を展開。西原は第1、第2セットともにリードする場面もあったが、終盤に引き離され、いずれのセットも23―25で敗れた。
まさに一進一退の攻防だった。2、3回戦ではフェイントやプッシュと緩急を付けた攻撃で翻弄(ほんろう)した西原だったが、190センチのエース工藤を擁する清風との準々決勝では小技は通じないと判断し、強打中心の構成で真っ向勝負。終盤まで主導権が激しく入れ替わったが、センターコートには惜しくも届かなかった。城間修監督は「本当によくやってくれた。沖縄バレーの最先端を体現した」と言葉を詰まらせながら、選手の健闘をたたえた。
どこからでも打ってくるスパイクに移動しながらのブロード、強烈なサーブ…。超攻撃的な清風が序盤から揺さぶりをかける。だが、西原も負けていない。平均身長が低い分、粘り強いレシーブでつなぐ。サーブレシーブの返球率は清風の62%に対し、74%の安定感で食らいついた。
190センチの松田蓮、182センチの庄島ジェイソン新時のブロックがはまると、チームも波に乗る。池城浩太朗、仲村英治のダブルエースが、ブロックをかわしサイドラインぎりぎりを狙う。ミドルブロッカー・照屋良和はクイックで強烈なスパイクを沈めた。
後がない第2セット序盤は「強気での攻め」(城間監督)を意識し、積極的な攻撃でリードを奪う。しかし、12―11から逆転されると、追い付けなかった。マッチポイントを取られてから、仲村の時間差で1点差まで詰めたが、逆転は成らなかった。アタック決定率は西原の41%に対し、清風が45%。互角の戦いだった。
3年連続出場だった池城主将は「最後は相手の組織力、チーム力にやられた。悔しい」と言葉少なに語り、後輩へ日本一の夢を託した。
【男子】
▽3回戦
西 原
2―0(25―22,25―19)
慶 応(神奈川)
▽準々決勝
清 風(大阪)
2―0(25―23,25―23)
西 原