攻撃を受けるのは沖縄… 米軍基地ミサイル攻撃に不安の声 首長、米とイランに対話求める


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 イランが8日にイラクの米軍基地などを攻撃したことについて県内の基地所在市町村長らは、在沖米軍基地が出撃拠点として使われた場合に標的になることへの懸念や、事態のさらなる悪化を懸念する声が相次いだ。沈静化に向けて日本政府も力を発揮してほしいとの意見もあった。

 嘉手納基地のある北谷町の野国昌春町長は「ここから出撃すれば、また新たな不安が出る。これ以上、(事態が)拡大しないよう頑張ってもらいたい」と述べた。日本政府に対し「イランと仲が良いと言っている。しっかり力を発揮してもらいたい。(米イラン両国が)外交努力で対話することが大事だ」と述べ、事態の沈静化に日本政府が役割を果たすよう求めた。

 在沖米四軍調整官事務所のある米軍キャンプ瑞慶覧を抱える北中城村の新垣邦男村長は「楽観視はできない。何かあれば一番まともに攻撃を受けるのは、基地を抱える沖縄ではないかという不安はみんなにあると思う」と述べた上で、米国とイラン双方に慎重な対応を求めた。

 米陸軍トリイ通信施設がある読谷村の石嶺伝実村長は「非常に心配だ。昨年残念ながら亡くなったペシャワール会の中村哲さんは『紛争地域では米軍と一緒に行動する方が危ない』と言っていた。沖縄は在日米軍基地の7割も押し付けられており、何か起こったら誰が責任を取るのか」と懸念を示した。

 米海兵隊キャンプ・コートニーなどがあるうるま市の島袋俊夫市長は「今後どうなるのか分からない状態なので、今は見守るしかない」と述べた。

 一方、玉城デニー知事は「社会情勢についてはしっかり注視したい」と述べ、事態を注視する考えを示した。謝花喜一郎副知事は「とにかく(米とイラン)お互い感情的にならないようにということしか言えない」と述べた。