【中部】沖縄県のうるま市と沖縄市で豚熱(CSF、豚コレラ)の感染確認が続く中、両市内で県産豚を扱う店舗などによると消費者の買い控えは起きていないという。豚熱発生を機に、農家らを励まそうと買い物に訪れる客も多く、店主らは「県民みんなで豚を支えようという気持ちがある」とうれしそうに語った。
うるま市石川にある創業50年の豚肉専門店「石川ししや~」では、市内での豚熱の感染確認後も客足は途絶えていない。共同代表の平良あゆみさんは、買い物に来た客から声援を受けることもあるという。「感染を知って『こんな時こそ』と買いに来てくれる方もいて、とてもうれしい」とにっこり。「感染農家の中には知り合いもいた。県民みんなで応援したい」と話した。
沖縄市の中部農連市場内にある「川上精肉店」でも販売に特に影響は出ていないという。仕入れは本島北部だが感染拡大の不安は拭えない。職員の大城秀男さん(58)は「これ以上は広がってほしくない。(発生市町村内や近隣の農家の)出荷制限が早く解除になることを願っている」と語った。
うるま市から買い物に訪れた60代の女性は「県産豚肉が大好き。値上がりは心配だが、今だからこそ食べたい」と豚肉を手にし、レジに向かった。
一方で、不安を隠せない精肉店も。県産豚肉を扱う沖縄市住吉の「コザミート」店主・比嘉哲也さん(39)は「経験がないことが起きて戸惑っている。出荷量が減り値上がりすることが心配だ」と述べ、取引業者などが県外や国外産の豚に切り替えることへの危機感をあらわにした。