豚熱(CSF、豚コレラ)の発生した農場と関連農場の合計7農場での初動防疫措置が19日で完了し、20日から制限区域解除に向けての「カウントダウン」が始まった。今後、28日間に渡って検査で清浄性の確認が続けば、発生農場からの感染は「終息」したと見なされる。一方で県外では制限区域を解除した後に発生した例もあり、区域内に封じ込められるかが焦点となる。今後発生がなければ、早くて2月17日に全ての制限区域が解除される。
これまで感染が確認された4例のうちうるま市の三つの養豚場は近接しており、沖縄市の農場も1例目の農場から3キロ圏内にある。3例目の沖縄市の養豚場については、ほかの発生養豚場とのつながりが不明だったが、1例目の養豚場とふん尿を回収する業者が同じだったことが判明するなど、徐々に養豚場の間の疫学的な関連が明らかになっている。
県の担当者は「豚と堆肥の動きを調べ尽くし、人の動きも調べている。続発して拡大しているように見えるが、実は限局的に関連農場で発生している状態だと考えている」と語る。
国の指針では豚熱発生後の周辺養豚場の検査は「移動制限区域」(3キロ圏内)内と定めている。県はこれに加えて「搬出制限区域」(10キロ圏内)内の全養豚場を検査している。
防疫措置完了から17日経過後の検査も、指針では移動制限区域内だけが定められているが、県は搬出制限区域内全てについて実施する方針だ。消毒も全国的には3回のところを4回する予定という。
厳格な検査をする背景には、狭い面積の沖縄では養豚場が集約されていることがある。距離が近ければネズミや野鳥などに付着して拡散する可能性は高くなる。感染を媒介する可能性がある野生イノシシについても、県は国の指針よりも厳格な検査を行う方針。
2018年9月に国内で26年ぶりに豚熱が発生した岐阜県では、1例目の移動制限区域が解除された後の11月に2例目が発生。野生イノシシにも感染が拡大し、19年9月まで1年以上発生が続発した。県畜産課の職員は「今の段階で安心してはいけない。引き続き防疫をしっかりする必要がある」と話した。