25日は旧暦の1月1日。トゥシヌユール(大みそか)の24日、「海人(うみんちゅう)のまち」で知られる沖縄県糸満市糸満の市公設市場は朝から旧正月用の餅や豚肉、カマボコ、切り花などを買い求める客でにぎわった。市公設市場は建て替え工事が進んでいる。現在の建物では最後の旧正となり、買い物客からは昔ながらの雰囲気が漂う施設の取り壊しを惜しむ声が聞こえた。
市公設市場の近くで生まれ育ったという玉城直子さん(51)=同市糸満=は「毎年、大みそかは市場で買い物をしている。小さい頃は市場周辺で遊んでいたので取り壊しは寂しい」と残念そうに話した。
いなみね精肉店3代目の大城武志さん(63)は「親の代に戦後すぐの青空市からやっている。取り壊しで歴史が終わるようだが、新市場は若い人たちの力で活気づけてほしい」と期待を込めた。いなみね精肉店では豚熱(CSF、豚コレラ)の影響で予約の取り消しが5件ほどあったが、全体への影響は少ないという。買い物客も「例年通り三枚肉や中味汁など豚肉料理を作ります」と話していた。
現在の市場は本年度中で営業を終了する予定。4月から「糸満市場(いちまんまちぐゎ~) いとま~る」がプレオープンする。【琉球新報電子版】