冬だけど「かりゆし」  暑い沖縄、通年着用の人増えてます


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
「今日からかりゆし」と笑顔の男性=24日午後、那覇市のパレットくもじ前

 「暑いし、かりゆし」。一年で一番寒い時期にもかかわらず、連日夏日を記録し“常夏”の雰囲気も漂う沖縄では、一年中かりゆしウエアを着る人がじわじわ増えている。県内企業では一年を通してかりゆしウエアでの出勤を認めている会社もあり、通年着用を後押ししている。 

 気温が25度を超え汗ばむ陽気となった24日の那覇市。県庁北口交差点ではセーターを着込んだ観光客の姿を尻目に、かりゆしウエアを着た会社員の姿が目立った。

 ランチタイムを終えた昼すぎ、明るい緑のかりゆしウエアを着た医療事務の高江洲達さん(31)=那覇市=は「今日からかりゆし」と笑顔で語る。3年ほど前まで福岡で生活していたこともあり「沖縄はずっとかりゆしでいける。楽だし、私服っぽいのが好き」と仕事に戻っていった。

 国際通りにある店舗で勤務する40代男性は「制服がかりゆしなので一年中かりゆしを着ている。寒い時は上から羽織る」と語る。

 実際、かりゆしウエアを制服にしたり、通年での着用を認めたりする会社は多い。「元祖紅いもタルト」でおなじみの御菓子御殿は「紅芋カラー」のかりゆしウエアが制服。日本トランスオーシャン航空(JTA)は乗客と接触しない本社勤務などの「間接部門」で通年着用を許可している。同社担当者によると、夏日の24日は「かりゆしが多かった」と語った。

 この動きに縫製業者も機敏に反応している。メーカー関係者は「観光客の需要もあるが、1月の売り上げは伸びている。いつでも新作を投入できるように急ピッチで準備を進めている」と明かした。

 沖縄が冬でも暖かくなったのは地球温暖化の影響で、もろ手を挙げて喜べないが、“常夏”が進めばかりゆしウエアの需要はさらに伸びるかもしれない。(仲村良太)