問い合わせ続々の話題のしまくとぅば本を増刷


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「本を通して多くの人に読谷村に関心を持ってもらいたい」と話す(右から)宮城昭美さん、松熊加奈子さん、辺土名初美さん=6日、読谷村史編集室

 【読谷】地域ならではの「しまくとぅば」を次世代へ継承しようと、読谷村が一括交付金を活用して発刊した村の副読本「読谷村のしまくとぅば~子どもの成長~」が好評だ。昨年4月に千部を刷り、村内の学校や図書館などに無料配布したが、新聞報道などで本について知った国内外の在住者からも購入希望の問い合わせが相次いだため、村が追加で予算を拠出。新たに千部を増刷し、1月から税込み100円で一般販売を開始した。

 本は読谷山(ゆんたんざ)生まれの姉弟、ミツと太良(たらー)が現代にタイムスリップした設定で、村で古くから使われているしまくとぅばの特徴や言い回しだけでなく、子どもが生まれてから十三祝いを迎えるまで、どのように成長が見守られてきたかを紹介している。全32ページフルカラーで、ふんだんに使われたイラストも「分かりやすい」と好評だという。

 本作成にあたり調査員として携わった宮城昭美さんは「思いを込めて作った一冊が評価され、うれしい」と喜んだ。辺土名初美さんも「この本をきっかけに、多くの人に読谷の魅力や歴史に関心を持ってもらいたい」と期待を寄せた。

 村史編集室の松熊加奈子さんは「想像以上の反響があり、皆喜んでいる」とし、年度内にはしまくとぅば本の第2弾として村内に伝承される民間療法をまとめた新作を出す予定だと報告した。

 本は村波平の村史編集室、村座喜味のユンタンザミュージアムで購入できる。問い合わせは(電話)098(958)2142(村史編集室)。