2020年度の沖縄弁護士会会長に就任することが決まった。同会初の女性会長となる。「私にしかできないことを考えてやっていきたい」。明るい笑顔に、気負いはない。
01年に沖縄弁護士会に弁護士登録した。当時、県内で女性弁護士は少なかった。就職した法律事務所には、初出勤前から女性からの相談の予約が相次いでいた。
大学生の時も、地方銀行で働いている時も弁護士になるという人生設計があったわけではなかった。外国人労働者を支援するボランティアをしていた際、法律を武器に人助けする弁護士の姿を見たことが人生の転機となった。
弁護士会では「犯罪被害者支援に関する委員会」と「両性の平等に関する委員会」を設立し、委員長を務めた。「両性の―」では、全国でも早く出産前後と育児中は会費が免除されるという弁護士の産休と育休の導入に取り組んだ。
育児などを抱える女性会員のために両委員会の会議を昼間に開催したことは、他の委員会にも影響を与えた。夕方以降に開かれる会議が減ったことは、男性会員からも好評だった。女性にとって働きやすい環境は男性にとっても働きやすい環境だと実感した。「弁護士会の変化が社会の変化につながれば」と期待する。
社会問題の多様化に伴い、弁護士に求められる役割も増えている。「弁護士の仕事を多くの人に知ってもらうように発信に力を入れたい」。市民と弁護士の距離を縮めたい考えだ。
趣味はスキーとヨガ。福岡県出身。夫と2人の息子がいる。54歳。