航空機での感染症患者移送で協定 沖縄県とメッシュ・サポート


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県保健医療部の砂川靖部長(右)から協力協定書を受け取るメッシュ・サポートの塚本裕樹理事長

 救急搬送活動に取り組むNPO法人メッシュ・サポート(塚本裕樹理事長)と県は30日、離島から航空機で感染症患者を感染症指定病院に搬送するための移送協力協定書を結んだ。現在感染が広がっている新型コロナウイルス感染症も対象で、時宜を得た協定となることから県は医療提供体制の充実に期待を寄せる。

 これまでは感染症患者の移送事例がなく、問題が表面化していなかったが、長年の課題だった。

 移送対象は1類、2類感染症疑い患者で、エボラ出血熱など1類の移送先は、県内では第一種感染症指定医療機関である琉球大学付属病院と県立南部医療センター・こどもセンターの2病院のみ。今回の協定で各離島から移送する環境が整備されることになった。

 2類に分類された新型コロナウイルス感染症も、与那国島や久米島など滑走路がある離島で発生した場合にはメッシュ・サポートに協力要請し、指定医療機関6病院に移送する。

 2018年11月に救急ヘリコプターから飛行機活動に移行し、準備を進めてきた塚本理事長は「訓練はしてきた。新型コロナウイルスが発生する中で未然に対応できて良かった」と話した。県保健医療部の砂川靖部長は「課題解決へ大きく前進する。新型コロナウイルスの感染者が県内でも多くなった時には、お願いすることになるかもしれない」と協力を求めた。