資本提携した大和証券と刀社がそれぞれ語ったことは… 【会見内容】


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沖縄島北部テーマパーク事業に携わる「刀」への出資を発表する大和証券の荻野明彦専務(左)と刀の森岡毅CEO=30日、東京都の大和証券本社

 資本業務提携を発表した荻野明彦大和証券専務と森岡毅・刀CEOの会見内容は次の通り。

 荻野氏 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)で実証された刀のマーケティングを軸にしたノウハウと当社の投資力を組み合わせ、投資経営を支援していく。人を呼び込むことで再成長のチャンスが存在する。

 森岡氏 マーケティングを普及するほか、日本のエンターテインメント事業にてこ入れする。外貨を稼ぐ大きな可能性の一つだ。USJも東京ディズニーランドも米本国の企業にライセンス料を支払っている。日本発でできないかというのが発想の根幹にある。沖縄をプロトタイプに成功して、10件できたらアジア最大のエンターテインメント企業ができる。ジャパンエンターテイメントの本社を沖縄の北部に置きたい。ここに世界中からお金が落ちれば、さまざまな職が生まれ、インフラが起こり、地域が豊かになる。

 ―沖縄のテーマパークの具体的な内容は。

 森岡氏 北部の大自然の魅力をテーマに投資規模は500億~1千億円。キャラクターは現時点では考えていない。ヤンバルの森で陸地向けのものが楽しみの中心になる。いかにアジアの富裕層を誘引するかが主眼だ。大和証券との提携は沖縄の第1号に大きな推進力となる。沖縄の後の2、3号の構想はあるが、1号店の成功を見極めてから後の展開だ。

 ―大和証券にとって沖縄のテーマパークに注目する理由について。

 荻野氏 着目したのは観光業。観光産業は年率10%を超える成長をしているが、そこに十分資金が回っていないと認識している。

 ―基地問題も抱える沖縄島北部に造る狙いは。

 森岡氏 USJの時に本気で沖縄北部へのパーク進出をトライしたが、地元の理解をいただく段取りや沖縄の作法などに疎かった。われわれが行くことに心配される方がいたことに配慮が足りなかったと反省している。今度成功した暁には地元の皆さんに税収や雇用などに貢献する意味で本社を北部に置くということは決定事項だ。北部はさまざまな可能性を持ちながら貧困など課題もある。北部には魅力的な仕事が必要。この1点で解決できるとは思っていないが、沖縄の北部への投資が魅力的だと、世界の投資家の目を向けるきっかけになる。