辺野古新基地、北部基幹病院、子育て支援…課題が山積 就任から2年、渡具知名護市長に聞く


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就任から2年を前にインタビューに答える渡具知武豊名護市長=5日、名護市役所

 【名護】8日で就任2年を迎える渡具知武豊名護市長は5日、琉球新報などのインタビューに応じた。県立北部病院と北部地区医師会病院を統合する北部基幹病院の設置について4日に県の合意書案に北部市町村が合意したことについて「(県との)合意に向けて12市町村が一体となって協議を続けていきたい」と強調した。一方、名護市の辺野古新基地建設については「国と県が係争中でそれを注視する」と従来の立場を繰り返した。

 ―就任2年を振り返ってみての感想は。

 「市の発展のために公約にスピード感を持って取り組んだ。子育て支援で給食費、保育料、子ども医療費の無償化が実現できたことは大きい。一般廃棄物処理施設整備などは遅れることなく進めていきたい」

 ―子育て支援の成果は。(基地建設受け入れで得られる)再編交付金を財源にしていることへの批判はどう考えるか。

 「親の経済的負担軽減のための無償化で、これからも継続したい。2021年度まで予算を確保している。選挙中からあらゆる財源を利用して政策を進めると申し上げてきた。保育料や学校給食費の無償化は、再編交付金が唯一の財源と認識している」

 ―北部基幹病院に関しては、事業が進まないことへの危機感もある。

 「一つ一つ前に進めていくということだ。12市町村と県だけでなく、国も含めた話し合いが必要だ」

 ―基地負担軽減に関して米軍キャンプ・シュワブ内のヘリパッド撤去にどう取り組むか。

 「国に継続して要請する。もう一歩踏み込んだこと、どういうことが効果があるのか検討したい」

 ―基地負担への認識は。

 「米軍専用施設の70%が県に集中しているのは負担が大きい。段階的縮小が必要で、できることは国にも進めてほしい。日本の防衛という意味で基地の存在を全面的に否定するということではない」

 ―2期目に向けて出馬する考えはあるか。

 「2期目というよりは、残された2年間でしっかり職責を全うしたい。まだ取り組みも道半ばで、やっていない施策を実現につなげていきたい」