発掘の人骨3片をDNA鑑定へ 沖縄戦時に埋葬した本部健堅の収集が終了


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 【本部】沖縄戦中、朝鮮人2人を含む14人が埋葬された本部町健堅の民有地で7日から行われていた市民団体による発掘作業が11日、終了した。8日までに見つかった人の背骨の一部とみられる骨2片に加え、発掘された破片が新たに背骨とみられることが判明した。遺骨3片は今後、県戦没者遺骨収集情報センターが預かり、国がDNA型鑑定を進めるとみられる。

 日本、韓国、台湾の若者らによる共同プロジェクト(健堅の遺骨発掘共同実行委員会主催)の実行委によると、岩の間の穴の約3メートル奥にある骨のような物も撮影したが、発掘には至らなかった。

 県立博物館・美術館元館長の安里進さん(考古学)は3片の骨は脊椎とみられるとし、「1941~43年に発行された貨幣と一緒に出ており41年より新しい時代の骨。(45年1月に本部町沿岸で米軍の攻撃を受けて撃沈した)彦山丸に乗っていた若い人たちの可能性もある」と指摘した。

 韓国遺骨発掘専門団のパク・ソンジュ団長は「(見つかった背骨などは)戦後に別の場所から運んで埋めたと考えられる」と指摘した。