【島人の目】青春の詩


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 「青春とは人生の或る期間を言うのではなく、心の様相を言うのだ。人は信念とともに若く、疑惑と共に老ゆる。人は自信と共に若く、恐怖と共に老ゆる。希望ある限り若く、失望と共に老い朽ちる」

 上記の詩は昭和63(1988)年宮澤次郎著「感動の詩賦―青春」の出だしである。同書の序文には次のように明記されている。

 “青春”の詩の一部。原作:米国サミュエル・ウルマンの詩(Youth)、岡田義夫:これを邦訳、宮澤次郎:これを流布、中曽根康弘:「青年会の創始者」でこれを讃す。ダグラス・マッカーサーは座右の銘として愛唱したと書いてある。中曽根さんは無類の「青春謳歌」をしていた人物だった。先日101歳で大往生を遂げたが、レーガン米大統領と親交が深く、「ロン」「ヤス」と呼び合い日米の友好に貢献したことや、「戦後の日本政治の巨人」などと評価される記事がLAタイムズに掲載された。

 「青春」。今日ではほとんど死語になりつつあるような気がしてならない。われわれの若き頃は周りに「青春」が湧き水のようにあふれていた。「青い山脈」「青春サイクリング」「青春の門」「若い人」「若いうしお」「若者たち」など、テレビドラマや小説、楽曲の「青春」を数え上げればきりがない。

 それに対して現在はどうだろう。ドラマや映画は連日「殺人」や「事件」ものばかり、殺伐とした世相にやりきれなさを覚えるのは私だけであろうか。

(当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)